あめいろさいろ

頼られずに生きてみたかった。

【ゲーム】牧場物語(SFC)

友人関係でたとえ話にゲームのことを引き合いに出す機会があって、連想ゲーム的に思い出したことがひとつ。

感じても一日経てば忘れてしまうし、この際だし書いておくことにする。

 

牧場物語

牧場物語

 

 

思い出補正があるのは否めないとしても、牧場物語シリーズを何作かやってみて、それでも一番印象に残っているのがSFCで出た最初の作品。

細かいシステム云々については省略するけれども、単純に、農作物・肉以外の畜産品・採集物を育てたり売ったりで、牧場主になったつもりのシンプルなシミュレーションゲームだった。

(というか今もシリーズ続いてるんだろうけど、確認はしてない。アプリがあったのはサイトで見たけどやってない)

 

で、このSFCの作品では、一週間に一回(確か日曜日)にだけ来る行商人のおじいさんがいた。

おじいさんだったかおばあさんだったか、その辺は定かではないけれど、そこは問題ではないのでいいとする。

基本的に、農作物や畜産品は日々育ち出るものだし、牧場内の出荷箱に投げ入れておくと夕方に回収されてお金に代わるようになっていた。

でも、どんなものだったか忘れたけれど、出荷箱に入れられないけれど売ればお金になるものがあって、そういうものは行商人のところに持って行っていた、気がする。

たぶん買い取り専門の人だった。

どうして買い取り専門だった気がするのかは、その人から買った記憶のあるものがひとつしかないからだ。

それが、今回思い出したもの、『青い羽根』。

 

牧場物語をかじったことがある人なら聞いたことがあるだろう重要アイテム、青い羽根。

何が重要かっていうと、別に牧場が急に金持ちになったり、収穫作業がフィーバーしたり、牧場に関する謎を明らかにするためのアイテムだったり、ということではなく。

 プロポーズするために必要なのである。

 

このシリーズではプロポーズするために、キャラの親密度をMAXにしたあとで青い羽根を渡さなければならないことになっている、はず。

言い切れる自信がないのでちょっと調べてみた。

スピンオフと言われているルーンファクトリーシリーズでも青い羽根は必須のようだし、おそらく結婚可能な牧場物語シリーズ作品では習わしのようになっているんだろう。

(※重ねて言うけれど確定事項ではない。実はここ数年牧場物語シリーズには触れていない)

 

 というわけで、長い前置きはおいておくとして、結婚という大きな節目と嫁(もしくは婿)を迎えるために青い羽根が必要なのは、もちろん初作であるSFC版も例外ではなく、むしろそこから青い羽根の習わしができた。

 

なのだけれど、ここで行商人の話に戻る。

 

一週間に一度しか来ない行商人が売っていた(記憶の限り唯一の)もの。

それが青い羽根だった。

そして青い羽根は、相手の女の子キャラの親密度がMAXになっていないと売りに出ないものだったわけで。

 

つまり、月曜日に親密度MAX&イベントが発生して、他の結婚条件(家の増築など)が整っていても、次の日曜日が来るまで青い羽根は買えない。

しばらくエンゲージリングならぬ青い羽根待ちの日々が続く。

 

そこでこの青い羽根待ちの間、私は何をしていたかという話が本題で。

 

別に、親密度はちょっと話かけにいかなくなったくらいで下がりはしない。

逆に(この作品だったかどうかは定かではないけれど)下手に話しかけにいって、間違えてクワをキャラ相手に振ってしまい、「痛い!何するの!」と傷つけてしまうこともたまにあったりする。

ちなみに私はやった。

若いときの失敗話はいいとして、青い羽根が手に入るまで会いに行かなくてもいいのに、むしろ会いに行く手間が省けるくらいなのに、なぜだかそのプロポーズしたい相手に会いに行ってしまうもので。

 

相手はプログラムである。

目標である結婚までのプロセスは完了している。

今さら何をしても何のステータスが変わるわけでもない。

なのに、不思議と会いに行ってしまうのだ。

それどころか、これまでアプローチのためにぼんやりと把握していた彼女のタイムスケジュールを駆使して、会いに行ったのにいない→あっちか! などと別の場所まで足を運んだりしてしまう。

(中には攻略本という神の書を用いてストーカーまがいの把握をしている牧場主もいる、むしろそっちが多かったりもするのかもしれない。本望である)

 

改めて考えてみると、かなり不思議な行動だったなあと思う。

今でこそ、二次元が嫁! という思考がわりとポピュラーになりつつある部分があって、それが良いだの悪いだの分別が問題だのと話にのぼることも少なくない。

二次元に恋い焦がれる、本気で恋愛する、という感覚は私にはまだ理解できていない。

でもたぶん、あのとき青い羽根待ちで過ごした数日間、あの子たちに会いに行っていた感覚は、ゲームの中の親密度や好感度とはまた別のリアルな感情があったからのような気がする。

 

余談だけれど、SFC版のプロポーズには続きがあって、青い羽根を手に入れてプロポーズしても、即決はしてもらえない。

次の土曜日にならないと返事をもらえないシステムだった。

かつ、その土曜日は『晴れ』でないといけない。

雨だったら次の土曜日に持ち越しという、謎システム。

「だったらプロポーズした次の土曜日は晴れになるようにしとけよ!」と叫んだあのときの自分は、おそらくキャラがプログラムであるということは念頭になかった。

とりあえずプロポーズの返事待ちのもどかしさを、なんとなく理解できた時間ではあったのかなあと、あれから20年近く経った今、思う……。